No.110

タロット

00. 愚者 FOOL/犯
自由と放浪

以前にも書いた犯が名前を変える理由から。彼は自身の出生とのレックスと出会いによって、自分が何者であるか分からないまま、フラフラ生きてきたんですよね。真っ当な人生を歩めなくなったら、住む場所どころか名前も定まらない。周りに流されるばかりで自分の意志が存在しない。これが逆位置の「放浪」

犯が名前を二度変えているのは、本名すら自分だと思えなかったからです。 エキストラだからモブ、犯罪者だから犯と今の自分を表す単語を適当に名乗ってるだけなので。安直過ぎるけど、変に凝った名前とか考えることなさそうだもんな彼は。 次こそは自身の名前だと思えるといいね…と、段々なに言ってるか分からなくなってきた。

…が、犯としてランと出会い、約10年いっしょに生活する中で、自分の意思や、意味が存在していることを認識します。紙切れ同然だった札束も、周りの期待に応えるために続けた勉強も、ランが生きていくために必要なものとして与えることができる。彼にとってずっと無意味だと思っていたものがすべて意味あるものに変わるんですよね。

ランのためにやったことが、結果として自分自身を救う。彼がずっと解けなかった答えはこういうことじゃないかと。そして、本人もとっくの昔に気付いていて、それでも気付かないふりをしているところが犯らしいというか。

賢いはずの犯は自身の思考と行動の矛盾を解けず終いだったのに、アホなランがそれを軽々と解いてしまうの、世の中のことは本当に理屈だけじゃない…

だからというべきか、犯の目が最期に映したのは、どこまでも続く青空なんですよね。目は口ほどにものをいう…

ランのイメージカラーは空色で、犯のよくやる仕草が空を仰ぐだったので、当時の私〜〜!!!となりました。これ意識して考えたとか記憶が全くないわよ?どうなの?当時そんなこと言ってたっけ?

何者でもなかった自分からの開放という意味で正位置の「自由」

#犯 #ラン #レックス

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